ケイゾク

もう、20年くらい前のドラマだ。暇を見つけて、ちょこちょこ見ていた。ようやく#12まで見終えた。どう考えても「エヴァ」の影響を感じさせる本作だが、それを置いておいたとして、巧みなスキルの積み重ねによって素晴らしい作品へときちんと昇華されている。(特に色。あの赤のイメージは当時のエヴァが与えた影響の強さが窺える)

ドラマは低予算での勝負になるため、画面に豊かさをもたせられない。そのため創意工夫が必要だ。その工夫を、演出の力で見事に補っている。

例えばこのドラマ、顔のアップがやたらに多様されている。この顔をアップするというのは、簡単にショットに深みをもたせる効果がある。しかし、アップだけでは間がもたないからと、次々にカットを変えていく。ここのカットとの繋ぎ合わせの中に、ドラマのリズムが生まれ作品を作品たらしめる要素が完成される。イマジナリーラインを悠々と超えてしまう所も実にテクニカルだ。そして、レンズの取捨選択。レンズを突然、変えることで、映像内に特殊な違和感を生じさせる。また、俳優も良い。実写における最大の強みは俳優を最大限生かせることにある。特に、素に近い形で演じると演技に取り繕うことのない自然な感じが出る。これを「ケイゾク」では渡部篤郎中谷美紀も踏襲しており、画面の中に魅力的に映し出されている。(渡部篤郎!あの雰囲気は本当に凄い)

この作品は、ただの刑事もののミステリーに終わらせない。刑事でなければいけない理由が織り込まれている。国や法律に相対した正義に葛藤させ、しまいには、

「心臓が息の根を止めるまで、真実を求めてひた走れ」だ。

良いね。本当に。これを見ている人は、頭の中で何にでも変換出来てしまうのだろう。こういう要素が共感に繋がるのだろね。

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▲第一話やOPに度々使われる台場公園。今は、オリンッピクのため、一部工事が行われている。実は、毎日の通り道の近くにある。どうせならとロケ地探訪をした。

 

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▲第一話で、犯人が自殺した場所。